下北沢シャレットワークショップ

「小田急線あと地」を考えるシャレットワークショップ


2008年8月に実施された「小田急線あと地」を考えるシャレットワークショップでは、多様な「あとち利用計画」が学生たちから提案されました。

8月21日から23日まで、下北沢のアレイホールにて、「小田急線あと地を考えるシャレットワークショップ」が開催されました。これは、全国から公募された28名の学生によって、小田急線あと地の利用計画を多角的に考えようと言う目的で、日本建築家協会世田谷支部とNPOまちづくりデザインサポートにより企画されたものです。(日本都市計画学会・日本建築学会後援)

8月21日

まず皆でまち歩きを行い、工学院大学の倉田直道先生、野澤康先生、芝浦工大学名誉教授の曽根幸一先生、都市プランナーの蓑原敬氏、地元の商店街の方々、建築家や専門家の方々からお話を伺い、何が問題で何を提案すべきかを皆で考えました。そして、5個の班に分かれてディスカッションを始めました。「あとちの会」の7原則を軸に将来の街の可能性などについて、夜遅くまで話し合いました。




8月22日

午前中は各々作業を行い、午後には各班の考えをお互いに発表し、それぞれの方向を改めて確認しあいました。

・下北沢の50年後はどうなっているか
・分断された計画ではなく、連続的な避難道路が絶対不可欠であること ・今まで踏切だった場所ではこれから車と歩行者の動線が新たにクロスするが、その場所をどうデザインするか
・地上に鉄道があった記憶をどのように残すべきか
・子供たちや大人たちが安心してたまれる場所とはどういうものか
・下北沢ならではのコミュニケーションのとり方をどう計画に生かすか
・都市における農業のあり方とはどういうものか

などが真剣に議論されました。これらのテーマを具体的な「小田急線あと地」という場所に落とし込むことが一番難しいところです。


8月23日

結局、殆ど全員が不眠不休の作業になってしまいましたが、何とかそれらの考えを模型や図面にまとめ、夕方からの発表に備えました。午後には模型や図面が所狭しと形を現し、ワークショップのクライマックス(修羅場)とも言える雰囲気でした。おまけに雨まで降ってきて、北沢タウンホールまで成果物を運搬するのに一苦労しました。

シンポジウム(成果発表会)

23日の夕方から北沢タウンホールで、市民や専門家の方々が集まったシンポジウム(成果発表会)を開催しました。学生たちの発表に多くの市民の方々が真剣に耳を傾け、そもそもの議論や詳細な議論まで幅広く質疑応答が行われました。小田急線あと地のイメージが、初めて具体的に模型で示されたので、一般の方々にも分かりやすいプレゼンテーションであったと思います。短期間の成果としては、余りあるほど内容の濃い提案をすることができました。各グループの提案は以下の5つです。(当日使用したプレゼンテーション資料がダウンロードできます。)

これから、これらの具体的な考えやイメージをどのような方法で世田谷区の案に反映させ、小田急電鉄や東京都の理解を得るかということが重要な課題となっています。しかし、市民が自主的に勉強会やワークショップの機会を重ね、具体的な空間のイメージをこのような形で共有できたことは大きな意味を持っていると思います。いろいろご協力頂きました地元の方々、専門家の方々、お手伝いしてくれた関係者の方々、頑張ってくれた学生たちに心から感謝の意を述べたいと思います。