JR姫路駅北駅前広場整備公開専門家ワークショップ
−プログラム−
2009年7月19日(日) イーグレ姫路1F アトリウム
11時〜 専門家まちあるき
以下より公開ワークショップ
13時〜 WS1 レクチャー
14時〜 WS2 課題の抽出
15時〜 WS3 フリーディスカッション
17時〜 成果発表会
主催:特定非営利活動法人スローソサエティ協会
後援:姫路市、姫路市商店街連合会、大手前通り街づくり協議会、駅西地区街づくり協議会
−講師−
□小林正美(明治大学教授) コーディネーター
□中井検裕(東京工業大学教授)
□出口敦(九州大学教授)
□森本章倫(宇都宮大学教授)
□松本滋(兵庫県立大学教授)
□小浪博英(平成帝京大学教授) ビデオ出演
−進行記録−
専門家まちあるきの様子
□各案の内容把握について
案@AB+α・・・バスバースの位置は共通である
@案:サンクンガーデンの上部にタクシーバース
A案:サンクンガーデンの北側にタクシーバース、ブリッジあり
B案:中央コンコース脇にタクシーバース 左側(両側)に交通機能を集約
参考案(市商連案):サンクンガーデンが西に伸びている
※モニュメントは西東心柱をイメージしている
1案 2案
3案
<参考案>
シャレットワークショップ案 市商連(姫路市商店街連合会)案
□基本コンセプト(7月合意)の確認
「城を望み時を感じる人が交流するおもてなし広場」
1)便利で安全な歩行者空間の確保
2)シンボル景観と姫路らしい空間の演出
3)くつろぎ・にぎわい空間の創出
<質疑による確認>
□バスバースについての質問
・バスバースの数は減少させているが(13バース)足りるのか
→系統別に考えており、計算の前提はあっている
→目的地は「方面」で分けている
・乗車するにはバスプールに一度出なければいけない計画となっている
□駐輪場についての質問
・駐輪場はどこに整備するのか
→東は高架下、西はJRとの協議中。東西自由通路に配置予定である。
□タクシー待合についての質問
・タクシー待合のシステムはどうなっているか
→朝日橋脇にあり映像で状況把握する
→内環状を通って中央から出入する
□荷捌き交通についての質問
・荷捌き交通はどう考えているか
→南東角より地下に搬入路をとっている
・駅ビルの規模からすると足りないのではないか
→現在は地下の搬入路からである
・建物内の物流経路が長くなるのではないかと思われる
□商業施設の付置義務駐車場についての質問
・キャスパの駐車場への入り口はどうなるか
→大手前道路は一般車を制限するがキャスパへは別ルートで利用できる
□バス会社の用地についての質問
・都市計画区域以外の部分の扱いはどう考えるべきか
→神姫バスの用地については対象外
→現市バス用地は、整備中の代替地に使うことができる
駅広との一体的利用は考えていない
□地下街についての質問
・サンクンガーデンに関する条件は何か
→避難経路として、12m幅の階段が必要である
現状が既存不適格なので、排煙装置としてオープンエアーにする必要がある
荷捌きは南東側に考えている
□駅南北の機能分担についての質問
・駅南北の機能分担はどう考えるべきか
→南は新しい歩行者、北は商業域と考える。南北の比は1:3である
・市バスが神姫バスと一緒になるのでこれから検討が必要である
□山陽電車側への動線についての質問
・2階レベル、地上レベルで歩行者動線をスムーズにつなぎたいがどう考えているか
→JRのホームからは直接行かない、地下通路では必ずつなぐ予定である
・JRに対し、構内からの地下、2階への移動経路を要望すべきである
・城を望み、楽しんでもらうためにもデッキを検討したい
模型によるこれまでの作品の確認 課題の抽出の様子
<フリーディスカッション>
□景観についての議論
・広場は商店街や建物(駅ビルなど)とセットで考えるべきである
駅ビルのファサードデザインの配慮の配慮が必要
・博多駅はデッキはないが人気があり、小倉駅はデッキがあるが人気がない
平面で勝負してみてはどうか デッキは不要かもしれない
デッキをつくるなら見られて耐えられるものが求められる
・お城から戻ってくる時の景観も検討をしていくべきである
広場や歩行者空間を作り込むのは大変である
川崎駅では地上の歩行者に配慮した広場にリニューアルする予定である
広場とサンクンガーデンのデザインの関係が重要である
・広場を一望できるような眺望景観を市民が享受できるようにしたい
(例えば、高層建物上階からのパノラマなど)
□交通についての議論
・広場が大きくなると歩行者動線が長くなる面もある
交通(バス・タクシー)をまとめる手もある
回転半径・視認性が十分であれば運用は問題ない
・大手前通りは三車線のうち1車線を中速な交通モード用にとっておくとよい!
電気車いす、キックボード、人力車、ベロタクシーなどが今後増える傾向にある
・トランジットモールも積極的に考えたい
・新しい交通形態に対応できるような余地を残すことが大切である
□広場についての議論
・祭りを引き込む可能性はないか
・博多駅・・・古い山笠祭りを駅前に持ち込む計画がある エリアマネジメントもやっている。
・広場の管理が重要である
広場の管理主体はだれか 姫路市民が担うことが重要
議論してきたメンバーでマネジメントの組織を立ち上げる可能性もある
・広場では通行空間と滞留空間の整理をすべきである
広場に出てくる建屋のデザインを考えることも重要 例)バスの待合
広場の性格の違いを考えるのが大切である
・広場と商店街の関係づくりを構築すべきである
・朝・昼・夜/四季で変化する活用をすべきである/イベントなど
(博多の朝カフェなどの例)
・まちのショーケースとしての演出があるとよい(イベントではないとき)
(川崎市でのものづくりの紹介などの例)
・緊急時のときの広場機能も考えることが重要である
市民が使い方を発想できる広場にしたい
利用者のバランスを考えてほしい 地元と協議の場を設けることが大切である
・南北の広場の機能を一体で考えるべきである
□植栽についての議論
・大通りの並木を活かしたい
川崎市では、重要な樹木を残した経緯があった
・JR駅ビルでは壁面緑化ができないか(3F以下で)
・地上と地下の広場では植栽の考え方はどうか
広場では求められる機能は多いので、交通機能を優先して植栽を入れるべきである
□シンボルについての議論
・オブジェ的なものは指向性が強すぎるので、「無」の空間もシンボリックではないか
修景方法として、あった方がよいものもある
・今駅前にある彫刻のようなモニュメントはいらないのではないか
・かつては「ハチ公」が待ち合わせスポットだったが、携帯電話で意味合いは薄れた
歴史やストーリー性を持たせることは大切である
・アイストップ・東方面を意識させるための、わかりやすい目印があるとよい
・ショーケースとしてのシンボルと捉えることもできる
時計のように機能を与えるシンボルはよい
パリのコンコルド広場のように夜間景観を考えることも重要である
□サンクンガーデンについての議論
・地下が明るくなる
・不動産価値があがる
・シンボルともなる
模型によるサンクンガーデンの空間の確認
□小浪先生のビデオによるコメント
「市の3案+市商連案+シャレット案の5案に共通する大切なポイント」
1)景観を大切にすることが重要である
市民の意見はいろいろだが、最終的に市長がきめる
2)交通の結節点としての便利さが重要である(タクシーやマイカーも)
A案は歩行者動線が長い
B案はシンプルでよいが、3案共通に西側ロータリーのカーブの多さが問題である
3)バスを入れすぎると混乱する
大手前通りを一部マイカー規制してバス停を配置することもありうる
4)歩行者動線を高齢者のためのバリアフリーに配慮してすっきりとすべきである
5)それぞれの案のよいところをとってまとめ、総合的な判断をして欲しい
歩行者動線は極力短くしていくべきである
□ロータリーのデザインを考える
・乗車バースを便利な配置にしていくべきである
待合空間が必要(降車は不要)
・歩行者動線は極力短く+バリアフリー
障害者の方の動線は駅構内の動線とあわせて検討が必要である
・病院行きの路線は駅に近く、高校などは多少遠めにするなど、目的地により配置を変えてみてはどうか?
・3案のバスロータリーは曲線が多く「整着」が難しい 二重ロータリーも危険である
・他所でバスバースをとれないか?
・バースが多いようであれば少なくする努力が必要
・タクシーとバスの交差はプロ同士なのであまり問題にならない
一般ドライバーとプロドライバーの交錯が危険である
□西地区への回遊性を考える
・駅前は路地裏の回遊が楽しい
・サイン、マップ、路地のネーミング・・・WSでみんなで考えられることもある
・大手前通りからの引き込みを工夫してはどうか
トランジットモールになると横道の賑わいが生まれる
大手前通りの滞留空間を千鳥格子にして視線を左右に振ると回遊性が生まれるのではないか
□駅前広場の重要点の確認
・既に合意されたコンセプトと空間の整合性を大切にすべきである
・駅ビルや線路が姫路城側からダイレクトに見えるより、視線が集中する点を設けるデザインが必要
・見下ろすときのパノラマ景観が大切である
地下街を通ってぬれずにバスバース、山陽電車へいける経路の確保が重要である。
バスターミナルへのスムーズなアクセスが課題である
歩車交錯がおきるが、短い横断歩道による解決もありうる
・将来の交通拡張性が重要である
・緊急時のことも考えると都心に大きなオープンスペースが重要である
おもてなし空間をいかに充実させるかという検討が必要である
専門家による駅前広場のスタディ・ワークショップ
専門家ワークショップの成果物
模造紙によるファシリテーション・進行記録
ワークショップ終了時の専門家たち
森本章倫、小林正美、出口敦、松本滋、中井検裕 (左から、敬称略)
後日、専門家ワークショップの成果を提言としてまとめて、専門家から市長へ提出しました。
模造紙によるファシリテーション・記録:
永井ふみ(株式会社石塚計画デザイン事務所)
文責:小林正美(明治大学)
+泉山塁威(NPO法人まちづくりデザインサポート)