第2回 姫路シャレットワークショップ       WS Gaiyou.ppt

第2回「姫路駅前の顔づくり」を考えるシャレットワークショップ

 2009年1月10日〜12日にかけて、第2回「姫路駅前を考える」シャレットワークショップが開催されました。これは、2008年11月に開催されたワークショップに続き、これから行政や市民の方々が具体的に姫路駅前の顔づくりを考える際の軸となる考え(アジェンダ)をまとめるという目的で開催されたものです。



[第1日目]

1月10日の14:00に、前回の参加者のうち10名が全国から駆けつけ、イーグレに集合しました。イーグレは今回のシャレットワークショップの拠点会場ですが、出来るだけ市民に公開した形で議論しようという意見が多く、この会場が選ばれました(制作の実作業場所は兵庫県立大学の一部をお借りする方針です)。お互いの挨拶に続いて、今回のワークショップの位置づけや目的、方法論などについて、理解を深めました。また、11月のワークショップでの成果物に対するアンケート調査の結果や、駅前の顔づくりに望む市民へのヒアリング調査の結果などを共有しました。その後、二班に分かれてディスカッションを開始し、アジェンダの骨格をイメージする作業を行いました。第1日目の目標は、課題を整理し、実際の計画のために何が重要かという優先順位をつけることでした。








その後、18:00から、NPOスローソサエティー協会の主催による市民向けの講演会が開催され、姫路市まちづくり課係長の澤田さんによる「〜記憶を重ねていく〜 ひめじのまちづくり」と、明治大学の小林正美先生による「姫路スタイルのアーバンデザイン」という分かりやすいお話がありました。熱心な質疑応答もあり、ワークショップ参加者たちはなんらかの手がかりを得たようでした。1日目の公式行事はこれで終了し、皆で夕食をとって、解散しました。

                  

[第2日目]

第2日目は朝9時から役割分担を決めるため、スケッチコンクールを行いました。これは、参加者の中から、成果物としての手書きスケッチ作成を担当する人を選ぶことが大きな目的でしたが、今回の計画の中に「絵」となり得るような空間や場面があるかどうかを見ることも重要な目的でした。参加者はいずれも絵心があり、CG世代の割には手書き志向の可能性を感じさせました。アジェンダを文言だけで提示するのではなく、「絵」によってイメージを共有化することはとても大切です。その後、ソフト班とハード班に分かれ、より具体的なアジェンダ作成に取りかかりました。お昼をはさんだこの作業では、16:00からの市民協働ワークショップ(中間発表)において議論のたたき台となる「アジェンダ(案)」の作成を目指しました。

               

市民ワークショップでは、30名ほどの市民が参加され、各班の発表に対し、多くの意見が寄せられました。例えば、一般車がJR姫路駅の北口に入れないと、障害者や小さい子供を連れた人が困るというような意見や、広場に何らかのモニュメントが必要だという意見、ユニバーサルデザインが重要だというような意見などが寄せられました。これらの情報も含めて検討し、翌日(12日)の最終成果発表会までに具体的な提言をまとめなくてはなりません。また、これまでに各団体や11月のワークショップで提示された駅前計画案の複数案を漠然と並べるのではなく、それらに共通する要素を確認する作業から、計画する上で大切なものは何かを見出す比較分析作業も必要です。日も暮れた頃から、作業会場を兵庫県立大学に移してグループ別の具体的な作業に入りました。

                      

                      


最終的に分割された作業グループは、

  • 提言班:アジェンダ(最終的に「10の提言」)まとめ+スケッチ
  • 複数案比較班1:「姫路城の眺望」「環境への配慮」等の計画要素をマトリクスで比較
  • 複数案比較班2:バス・タクシー・一般車・歩行者の動線を重ね図にして比較
  • 全体班:11月および今回のシャレットワークショップの成果全体を整理

です。これらの班は夜中早めの解散を約束して作業を開始したのですが、結局朝までの作業になってしまいました。

      

[第3日目]

15:00前には石見市長が来られるというニュースが入り、皆で待機しましたが、実は既に模型とパネル展示を見られ、上階で別の仕事をされていました。15:00の開始時間には1階に下りてきて頂き、最初のご挨拶を頂きました。その後、ご多忙ですぐに移動される予定でしたが、何とか5分頂き、これまでの提案の比較分析、「10の提言」について、発表を見て頂きました。シャレットワークショップの成果と内容を、実際に行政トップの首長に見て頂く機会は我が国でも稀であるので、貴重な場面であったように思われました。

       

市長がお帰りになられたあと、2時間くらいをかけて、学生の発表、市民との活発な意見交換がありました。再び、ユニバーサルデザイン、モニュメント、おもてなしの心、タクシー乗り場などについての意見が市民側から出されました。学生たちによる、各提案の比較分析については、分かりやすかったと評判がよく、課題の整理が今後の計画の議論に使えるだろうという評価を頂きました。これらの意見の集約や課題の整理が、今後の行政・市民・関係団体による合意形成の一助になれば大成果であるとも思われます。

                      

                             

その後、参加者は疲れた体をものともせず、打ち上げのなべ大会、2次会のカラオケへと流れました。毎回そうですが、苦しいシャレットワークショップも、その成果が多くの人々に認められ、具体的な計画へ進む一歩となることは関係者・参加者にとって、最大の達成感です。一回目、二回目の参加者・関係者全員に感謝の意をお伝えしたいと思います。

[後日談]

その後、このシャレットワークショップの成果は多くのマスメディアに採り上げられました。

第2回「姫路駅前を考える」シャレットワークショップの成果